革靴の中でも高価なレザーソルーの革靴はなるべく大事に長く履きたいものです。そこで良く議論に上がるのが、以下の2つの履き方です。
- レザーソールのまま履く
- ハーフラバーソルを貼って履く
革靴愛好家の中でも派閥が別れており、明確な正解はわかっておりません。人に寄ってはハーフラバーソールを貼るくらいであれば、レザーソールを買うべきではないとまで言われることもあります。今回はどちらが良いのかまとめました。
◆そもそもハーフラバーソールとは
ハーフラバーソールとは主にレザーソールの革靴に対して滑り止め、ソールを長持ちさせるために貼る薄いラバーのソールです。
上記はスコッチグレインの革靴です。左がハーフラバーソールを貼って2年ほど履いた靴で、左がハーフラバーソールを履かずに2年ほど履いた靴です。
上記はスコッチグレインのソールですが、こちらのモデルはデフォルトでハーフラバーソールになっているモデルです。
◆ハーフラバーソールのメリット
ソールがすり減らない
見て分かるほどに右側のハーフラバーソールを貼っていない方がすり減ってソールが痛んでいます。靴の裏は滅多に見えるものではありませんが、レザーソールは見た目が汚いです。
雨の日に履ける
また、レザーソールは雨の日に履けないというデメリットがあります。レザーソールを雨の日に履いてしまうと水がしみ込み、カビてしまいます。私も何度も突然の雨にやられてしまい、革底がかびてしました。ハーフラバーソールはかびません。ハーフラバーソールでも元はレザーですので、雨の日は避けるべきですが、意外に問題ありません。曇りの日で雨がふるかどうか曖昧な時でも履けるのはとても心強いです。
グリップ能力が高く、滑らない
レザーソールはグリップ能力が非常に低いです。車移動などで、電車に乗らない方や歩かないかたは問題ないですが、通常の生活を送っている人は転ぶ危険が増します。また、自転車など乗り物でもとても滑ります。その弱点をハーフラバーソールは補い、電車内でも、自転車でも快適に乗ることが出来ます。
◆ハーフラバーソールのデメリット
上記の通り、一見でメリットがないようで、良いこと尽くしのように見えますが、欠点があります。
通気性が悪くなる
レザーソールの場合、底からも湿気が放出されます。そのため、通気性が良く蒸れにくいというメリットがあります。レザーソールにラバーを貼ってしまうということは、その分湿気が逃げにくくなるといわれています。
しかし、私の個人的な感想としては、通気性の悪さを感じたことはありません。そもそもレザーソールとラバーソールを履き比べても、通気性の差はほんの僅かです。そのためレザーソールにハーフラバーソールを貼ったところで、人が感じれるどの通気性の差は感じれないと思います。
レザーソール本体の寿命が縮まる
ハーフラバーソールは、レザーソールを薄く削り、削った箇所にハーフラバーソールを貼ります。そのため、削った分のレザーソールの寿命が縮むことになります。ハーフラバーソールを張り替える際も、剥がして削ってを繰り返すためにレザーソールは少しずつ削られて行くため、結果的にハーフラバーソールを貼ってもオールソール交換の時期を遅らせることはできないといわれています。
実際私は何度も交換していますが、よっぽど特殊な修理業社さんでない限り、レザーソールの削る量はごく僅かなため、レザーソールのまま履いた場合のすり減る量と比べると大幅削減できると思います。
レザーソール特有の”カツカツ”という音が出なくなる
レザーソールとラバーソールの違いでよく言及されるのが、歩行時の音です。ラバーソールはラバーですので歩行時に特別な音はしません。レザーソールの場合は、特有の”カツカツ”という音がします。特にタイルや、固い地面を歩いている場合は、音だけでレザーソールかラバーソールか分かるほどに違いがでます。人に寄っては、この音だけで高い靴(レザーソール)か、安い靴(ラバーソール)かを判断する人もいるくらいです。
しかし、レザーソールにハーフラバーソールを貼った場合は、”カツカツ”音がなくなります。ラバーソールと同等の音になります。そのため、高級感のあふれる、出来る男感を出しながら”カツカツ”あるくことが出来なくなります。
個人的にはなるべく音を立てずに歩くことがスマートだと思っているので、音がでないことは逆に良いことと思っています。
ハーフラバーソールはつま先からすぐに剥がれる
ハーフラバーソールはすぐに剥がれます。使用した状態で貼った場合は、ハーフラバーソールは高頻度で剥がれます。一般的に新品で貼れば剥がれないという情報も多いですが、私が履いている革靴は全て新品の状態でハーフラバーソールを貼っていますが、全て剥がれました。
ミスターミニットさんや、Riatさんなど色々な店舗で貼っていただきましたが、どの店舗でも2年以内に100%剥がれてしまいます。そもそも接着剤で貼っているだけですので、当たり前のことかもしれませんが、2,000円近い値段で貼ってもらっているので、何度も貼り直しているとコストが高くついてしまいます。
また、つま先から剥がれて行くと、歩く際につんのめる形になり、転倒の危険があります。滑るのを防ぐために貼ったにもかかわらず、転倒の起因になってしまうことすらあるのです。
私個人としてはこの剥がれることが一番のデメリットだと思っています。ここさえ改善できれば絶対にハーフラバーソール派ですが、何度も剥がれるので、コストがかかりすぎてしまいます。そのため、2,000円を5回張り替えるのであれば、オールソール交換が1回出来てしまう計算になります。そうなるのであれば、最初からハーフラバーソールなんて貼る必要はなく、レザーソールを履き潰して、すり減れば、オールソール交換をした方が良いと思います。
しかし、ハーフラバーソールが剥がれない方法があります。
◆ヴィンテージスチール+ハーフラバーソルという選択
こちらがヴィンテージスチールです。
こちらがヴィンテージスチール+ハーフラバーソールを貼った革靴です。こちらは39磨きさんでヴィンテージスチール+ハーフラバーソールを付けてもらいました。
ヴィンテージスチールは、ハーフラバーソールと全く同じ厚さで、つま先のすり減りを防ぐために付けるものですが、ハーフラバーソールと同時に付けると、ハーフラバーソールが格段に剥がれにくくなるメリットがあります。
そして、何より革靴が格段にかっこ良くなります。
おわりに
ハーフラバーソールを付けるべきかどうかについては、結論としまして、
長持ちさせるためには、ハーフラバーソールは付けるべきです。
ただし、ハーフラバーソールは単体で付けるべきではありません。合わせてヴィンテージスチールを付けることで大事な革靴を最も長く大事に履くことが出来ます。
皆さんも是非試してみてください。
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